「カップボードは1800mmで十分と言われたけれど、電子レンジや炊飯器を置いたら収納が残らないのでは?」と不安になる人は多いと思います。カップボードは設置後に幅を広げにくいので、予算や壁幅に収めながらも、足りない選択は避けたいですよね。
僕が考える答えは、カップボード1800mmが足りるかは、家族人数やキッチン本体の幅ではなく、何を入れて、何を別収納へ回せるかで決まるということです。
食器だけを収めるなら成立しやすくても、食品ストック、家電、ゴミ箱、買い物後の仮置き場まで一か所に集めるなら、同じ1800mmでも足りなくなります。図面を見る前に、まず「何をどこへ置くか」を決めるのが近道です。
この記事のポイント
- 1800mmが足りるかは、収納物・家電・補助収納の組み合わせで判断する
- 食器、食品、家電、ゴミ箱を5分類で棚卸しすると必要量が見えやすい
- 幅を増やす前に、通路、冷蔵庫、引き出し、天板の使いやすさを確認する
- 900mm×2列と3列構成は、容量よりも収納物の大きさと分類のしやすさで選ぶ
- 契約前は、家電寸法と補助収納の役割を図面に落とし込んで相談する
カップボード1800mmは足りない?
カップボード1800mmは、一律に小さいとも十分とも言えません。食器・調理器具・保存容器だけを中心に入れるのか、食品ストックや複数の家電、ゴミ箱まで担わせるのかで、必要な収納量が大きく変わるからです。
幅だけでは足りる・足りないを決められない
キッチン本体が2400mmや2550mm程度なら、カップボードも同じくらい必要なのでは、と感じるかもしれません。ただ、キッチン本体の幅とカップボードの幅は、同じ役割ではありません。見た目の比率だけで決めると、必要な収納や通路の使いやすさを見落とします。
特に確認したいのは、カップボードに次の役割を全部集める予定かどうかです。
- 日常使いの食器、鍋、保存容器
- 乾物、レトルト、米、飲料、非常食などの常温ストック
- 電子レンジ、炊飯器、トースター、コーヒーメーカーなどの家電
- 分別用のゴミ箱とゴミ袋
- 配膳や買い物後の仮置きに使う天板
このうち多くをカップボードへ集中させるほど、1800mmは厳しくなります。反対に、パントリーや冷蔵庫横収納に重いストックや低頻度の物を移せるなら、1800mmでも日常品を使いやすくまとめやすくなります。
必要量は5分類で棚卸しする

カップボードの必要量は、収納の総量だけでなく、毎日使う物を取り出しやすい位置へ置けるかで決めます。契約前に、入れる物を5つに分けて紙やスマホのメモへ書き出してみてください。
食器・調理器具・保存容器は頻度で分ける
食器の数は家族人数だけでは決まりません。来客用の器、子どもの食器、水筒、弁当用品、作り置き容器などがあると、意外と収納を使います。
棚卸しでは、持ち物を「毎日使う」「週に1回ほど使う」「低頻度」に分けます。毎日使う茶碗、皿、コップ、弁当用品は、立ったままでも取り出しやすい引き出しや棚へ置けるかを優先します。容量はあっても、日用品が高い棚や奥へ追いやられる配置では、片付ける手間が増えやすいです。
食品ストックは買い方まで書き出す
食品ストックをすべてカップボードへ入れる前提なら、食器中心の計画よりも収納が必要です。米、飲料、箱買いする食品、非常食はかさばり、重さもあります。
まとめ買いが多い家庭は、「カップボードに置く食品」と「パントリーや別収納に置く食品」を最初から分けた方が迷いません。日常的に使う乾物や調味料は近くへ、米や飲料、非常食、予備品は補助収納へ、と役割を決める考え方です。
家電・ゴミ箱・天板を先に確保する
カップボード1800mmで後悔しやすいのは、収納の割り付けを先に考え、家電とゴミ箱を最後に置こうとする流れです。電子レンジ、炊飯器、コーヒーメーカーなどを天板へ置くと、その分だけ配膳や仮置きに使える面は減ります。
家電は外寸だけでなく、ふたや扉の開閉、コードの向き、コンセント位置もメモします。炊飯器などの蒸気が出る家電や、放熱が必要な家電を収納内で使えるかは、カップボードと家電の説明書・施工仕様で確認が必要です。排気口をふさいだり、必要な離隔を取れない置き方は避けてください。
メーカー公式の確認資料として、Panasonic公式「レンジの放熱スペース(離隔距離)」では、本体上面や壁との指定距離を確保するよう案内されています。必要な距離は、採用する機種の説明書・設置寸法で確認してください。
また、Panasonic公式「蒸気処理機能付 家電収納ユニット」には、同じユニットでも蒸気処理の有無で使い方が異なる箇所や、電子レンジをスライドカウンターへ設置できない旨が示されています。これは該当製品の例であり、他製品へそのまま当てはめず、家具と家電の両方の使用条件を照合してください。
コンセントの増設や移設、専用回路の要否は、採用する家電と家具の仕様をそろえたうえで、住宅会社、施工店、電気工事士へ確認してください。注文住宅の電気配線工事をしていた僕も、図面だけで安易に「ここなら大丈夫」とは言い切りません。
1800mmで不足しやすい家庭の条件
カップボード1800mmが不足しやすいのは、家族人数が多い家庭だけではありません。カップボード一台へ持たせたい役割が多く、補助収納の役割が決まっていない家庭ほど、天板と引き出しが早く埋まりやすくなります。
| 不足しやすい条件 | 1800mmでも成立しやすい条件 |
|---|---|
| まとめ買い品や飲料をキッチン側に集めたい | 米・飲料・非常食をパントリーなどへ分けられる |
| 食器、保存容器、来客用食器が多い | 日常品を中心にし、低頻度品の置き場が別にある |
| 調理家電を複数台、常に出して使いたい | 置く家電を絞り、使用条件に合う場所を確保できる |
| ゴミ箱をカップボード下へ収めたい | ゴミ箱を別位置に置いても分別・交換がしやすい |
| パントリーや冷蔵庫横収納がほとんどない | 補助収納に入れる物が具体的に決まっている |
表の左側に当てはまる項目が多いほど、幅を広げるか、補助収納を増やすか、持ち物と家電の置き方を見直す余地があります。右側に当てはまるなら、1800mmでも日常の使いやすさを優先した計画にしやすいです。
「何人家族までなら足りるか」より、「カップボード以外へ動かせない物が何種類あるか」を数える方が現実的です。
幅を広げる前に動線を確認する
カップボードの幅を増やせば収納は増えますが、キッチンまわり全体が使いやすくなるとは限りません。通路、冷蔵庫、引き出し、ゴミ箱を同時に使う場面まで図面上で重ねて確認する必要があります。
通路・冷蔵庫・引き出しを同時に見る
壁に収まるかだけではなく、冷蔵庫の扉を開けた時、カップボードの引き出しを開けた時、ゴミ箱のふたを開けた時に、誰がどこを通るかを見ます。朝の支度や夕食づくりでは、家族がキッチン周辺へ集まりやすいからです。
僕の家でも、動線を考える時は「一人で使えるか」だけではなく、家族が横を通れるかを見ます。長男は日常的に車いすを使っているので、家の中では開いた扉や引き出しが通路をどれだけ狭めるかを特に意識しています。キッチン計画でも、図面上の寸法だけで安心せず、開いた状態を想像することが欠かせません。
天板は家電置き場だけにしない
天板は、配膳、炊き上がったご飯の仮置き、買い物袋の荷ほどきにも使います。家電を並べ切ることだけを優先すると、日用品が天板へあふれ、片付いて見えにくくなります。
キッチン幅2400mmに対して1800mmが見た目に合うかも、幅の比率だけで決める話ではありません。冷蔵庫の位置、壁の余白、ダイニングからの見え方、天板に残る作業面まで含めて、平面図と立面図で確認してみてください。
冷蔵庫横を収納や掲示スペースとして使う場合は、放熱や設置条件を優先したいところです。冷蔵庫側面へ物を付ける際の注意点は、次の記事も参考になります。

1800mmしか取れない時の収納対策

壁幅の都合でカップボード1800mmしか取れない場合は、収納をただ増やすより、保管先の役割を先に決める方が失敗を減らせます。カップボードには毎日使う物を残し、重い物や低頻度の物を補助収納へ移す考え方です。
補助収納は入れる物を先に決める
パントリー、冷蔵庫横収納、吊戸棚があるなら、「余った物を入れる場所」にはしない方が使いやすくなります。たとえば、米・飲料・非常食・まとめ買い品はパントリー、低頻度の調理器具や来客用食器は吊戸棚というように、役割を決めます。
吊戸棚は容量を増やせますが、毎日使う重い物を置く場所には向きません。取り出しにくい高さへ日用品を押し込むと、収納量は増えても家事はラクになりにくいです。
ゴミ箱の寸法と交換動線も決める
ゴミ箱スペースは、分別数、ゴミ箱本体の外寸、ふたの開き方、袋を交換する動きをセットで確認します。カップボード内へ納める構成は見た目を整えやすい一方、引き出しや冷蔵庫と干渉しないかを図面上で確認したいところです。
幅を増やせないなら、天板に置く家電を厳選する、ゴミ箱を別位置にする、食品ストックを別収納へ移す、といった選択肢を組み合わせます。どれか一つだけで無理に解決しようとしない方が、日常の片付けは続きやすいです。
引き出しは900mm×2列か3列か

900mm幅を2列にするか、600mm前後を含む3列にするかは、総幅の優劣では決まりません。大きな物をまとめて入れたいのか、小物を用途別に分けたいのかで選ぶと、毎日の出し入れを想像しやすくなります。
900mm幅2列は大物をまとめやすい
幅広の引き出しは、大皿、鍋、ボウル、家電の付属品など、まとまった大きさの物を入れやすい構成です。一方で、カトラリー、保存容器のふた、水筒用品のような細かな物をそのまま入れると、中で混ざりやすくなります。
900mm幅を選ぶなら、どの引き出しに何を入れるかを先に決め、重い鍋や食器を一か所に詰め込みすぎないかを見ます。引き出しの耐荷重やレールの仕様は製品で異なるため、採用予定品の図面と仕様書で確認してください。
収納時の重量配分の参考には、LIXIL公式取扱説明書「リシェル2024・使い方(キッチン本体)」があります。一つの引き出しへの重量集中を避け、前後左右のバランスを取るという案内です。カップボードへ適用する耐荷重の数値は、この製品例から流用せず、採用予定品の説明書で確認してください。
3列構成は小物を分類しやすい
600mm前後を含む3列構成は、カトラリー、食品、保存容器、水筒用品、子どもの食器などを用途別に分けやすいのが利点です。家族が「戻す場所」を判断しやすいと、天板へ置きっぱなしになる物も減らしやすくなります。
ただし、扉や引き出しが増える構成が一律に収納効率に優れるわけではありません。実際の内寸、収納したい物、価格差、ゴミ箱ユニットとの組み合わせで答えは変わります。迷ったら、大物中心なら900mm幅、小物を分類したいなら3列構成を起点にして、実物の内寸で比較するのが分かりやすいです。
発注前に図面へ落とす最終チェック
「1800mmで足りますか」と住宅会社へ聞くだけでは、収納計画の答えは出にくいです。食器や家電の量、ゴミ箱、補助収納の役割を共有して、収納・動線・電気設備をまとめて確認すると判断しやすくなります。
相談時に持参したいチェックリスト
- 食器、調理器具、保存容器を頻度別に分けた一覧
- 食品ストックの量と、パントリーなどへ移す予定の物
- 電子レンジ、炊飯器、トースターなどの外寸と使用条件
- ゴミ箱の数、外寸、ふたの開き方
- 冷蔵庫を含む配置図と、引き出しを開けた時の動線
- 採用予定カップボードの有効内寸、耐荷重、コンセント位置
住宅会社や施工店には、「この家電とゴミ箱を置いた状態で、カップボード1800mmの有効内寸に日常食器と食品が収まるか。冷蔵庫と引き出しを開けた時に干渉しないかも図面で確認したいです」と伝えると、確認したい内容が伝わりやすいです。
積水ハウスを候補に入れている場合
カップボード単体ではなく、キッチン、パントリー、冷蔵庫、ダイニング動線まで含めて相談先を探している人もいると思います。紹介制度の利用を検討する場合は、紹介ページで対象条件や利用可否を確認したうえで、図面相談時に収納計画もあわせて伝えてください。
紹介サポート運営元の利用条件では、積水ハウスとの初回接触前が原則とされています。資料請求・展示場予約・訪問の前に確認し、すでに接点がある場合は利用できると決めつけず、窓口へ個別に相談してください。ページの見出しにはオーナー紹介割引として3%の表記がありますが、本文では特定の割引率や金額を約束しないと説明されています。3%引きが保証される制度として考えないようにしてください。
この紹介サポートを運営している北川さんは、僕の仕事関係の先輩です。人となりを知ったうえで案内していますが、それが割引や担当者の対応を保証するものではありません。
紹介サポートを利用する場合は、申込みフォームの紹介コード欄に「GJ1997」をコピペで入力してください。コード欄への入力がないと紹介が成立しません。
よくある質問
Q. カップボード1800mmは何人家族までなら足りますか?
A. 人数だけで上限は決められません。食器量、来客頻度、保存容器、まとめ買い、家電の台数、パントリーなどの補助収納で必要量が変わります。家族人数を基準にするより、5分類で「カップボード以外へ移せない物」を洗い出す方が判断しやすいです。
Q. キッチン幅2400mmに対して1800mmはバランスが悪いですか?
A. キッチン本体との幅の比率だけでは、バランスが悪いとは言えません。壁の余白、冷蔵庫の位置、通路、ダイニングからの見え方、天板に残る作業スペースまで確認して判断します。収納が足りて動線も保てるなら、1800mmという幅だけで不利とは限りません。
Q. 1800mmで電子レンジ、炊飯器、コーヒーメーカーは置けますか?
A. 家電の外寸だけでは判断できません。蒸気、放熱、排気口、必要な離隔、コンセント位置、扉や引き出しの開閉を、家電メーカーとカップボードメーカーの説明書・施工仕様で確認してください。天板に3台置けたとしても、配膳や仮置きの面が残るかまで見ておきたいです。
Q. 900mm幅の引き出しは重くて使いにくいですか?
A. 900mm幅だから使いにくいとは断定できません。収納物の重さ、引き出しの深さ、耐荷重、レール仕様、使う人によって感じ方が変わります。重い鍋や食器を集中させる予定なら、採用予定品の耐荷重を確認し、可能ならショールームで引き出しの動きも確かめると安心です。
Q. 幅を広げるよりパントリーを優先した方がよい家庭は?
A. 食品、飲料、非常食などの常温ストックが多い家庭は、パントリーで役割を分ける選択が合いやすいです。一方で、毎日使う食器や家電まで遠い場所へ移すと、家事の動きは増えます。カップボードには日常品、パントリーには重い物と低頻度品という分担から考えてみてください。
まとめ:幅より置き場の設計を優先する
カップボード1800mmは、食器と日常品を中心にし、食品ストックや低頻度品を補助収納へ分けられる家庭では、計画しやすいケースがあります。一方で、家電、ゴミ箱、まとめ買い品、来客用食器まで集約するなら、幅の見直しや収納の役割分担が必要になりやすいです。
僕なら、最初に家電とゴミ箱の場所を決めます。その後で天板に残したい作業面を確保し、残った収納へ毎日使う食器を入れます。それでも収まらない物を、パントリーや吊戸棚へどう分けるかを考える順番です。
「1800mmで足りるか」を決める材料は、平均的な幅ではなく、自分たちの持ち物と毎日の動きです。棚卸し表と家電寸法を用意してから図面を見直せば、契約後に置き場で困る可能性を減らせます。

コメント